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[か]

                                                 標準物質

槐花 (Sophorae Flos:カイカ)

エンジュ(マメ科)のつぼみ
rutin(止血薬,毛細血管強化)を含む。

フラボノイドを含む生薬ルチン
加水分解型タンニン (Hydrolyzable Tannin:かすいぶんかいがたタンニン)
加水分解型タンニンは、ポリアルコールとフェノールカルボン酸とがエステル結合したもので、酸またはアルカリ、そして酵素によって加水分解される。

タンニンゼラニインエラグ酸
カスカラサグラダ (cascara sagrada:カスカラサグラダ)
Rhamnus purshiana(クロウメモドキ科)の樹皮
Cascaroside(緩下剤)を含む。

アントラキノン誘導体を含む生薬、カスカロシド
葛根 (Puerariae Radix:カッコン)
クズ(Pueraria lobata、マメ科)の根
daidzin, daidzein など(発汗解熱薬)を含む。

フラボノイドを含む生薬ダイジンダイゼインプエラリン
カテキン類 (catechins:カテキン類)
フラバン-3-オールの誘導体を通常、カテキン類という。
また、フラバン-3-オールを含むことから、タンニンとも関連する。

タンニンフラボノイド
カノコソウ (Valerianae Radix:カノコソウ)
カノコソウ(オミナエシ科)の根,根茎
bornyl isovalerate,kessoglycol(鎮静薬(ヒステリーなど))を含む。

精油を含む生薬
カピラリシン (capillarisin:カピラリシン)
capillarisin
     (構造式)
胆汁分泌促進

→茵陳蒿
カフェイン (caffeine:カフェイン)
caffeine
茶、コーヒー豆、カカオ子、コラ子、ガラナ、マテ茶などに含まれる。
中枢興奮、強心、利尿作用がある。
プリンアルカロイドに分類される。

アルカロイド
カプサイシン (capsaicine:カプサイシン)
capsaicine
トウガラシの主辛味物質で、脂肪を分解する作用がある。

→トウガラシ、 唐辛子
カミツレ (Matricaria Flos (?):カミツレ)
カミツレ(キク科)の頭花
精油,その他(鎮静,消炎作用)を含む。

芳香性健胃薬
カルコン類 (chalcones:カルコン類)
黄〜赤色の色素で、植物界での分布は比較的限られている。
カルコン類とフラバノン類は異性体の関係にある。
また、カルコン類には、C環が存在しない。

カルタミンフラボノイド
カルタミン (carthamin:カルタミン)
carthamin
紅花に含まれる配糖体型色素

紅花カルコン類
カロチン類 (carotenes:カロチン類)
β-carotene
通常は、α(紫色結晶)、β(赤色結晶)、γ(赤色結晶)の三種類の異性体の混合物であり、β体(βカロチン)が主である。
脊椎動物にとって不可欠なビタミンA(レチノール)の前駆体である。

プロクロシンテトラテルペン
甘草 (Glycyrrhizae Radix:カンゾウ)
Glycyrrhiza uralensis(マメ科)の根、ストロン
glycyrrhizin(解毒,副腎皮質ホルモン様作用,矯味薬)を含む。

サポニンを含む生薬、グリチルリチン、 グリチルリチン酸ナリンゲニンナリンジン
カンタリジン (cantharidin:カンタリジン)
cantharidin
カンタリス(マメハンミョウ)の毒成分
*ハンミョウとマメハンミョウは別種の昆虫で、ハンミョウの方は毒をもっていない。
皮膚に対して強い刺激作用があり、腐食毒
イソプレン則に適合した構造だが、生合成的にはメバロン酸経由ではないとされる。

モノテルペン
カンファー (camphor:カンファー)
(+)-camphor
興奮薬、局所刺激薬

→樟脳、 モノテルペン
莪朮 (Zedoariae Rhizoma:ガジュツ)
ガジュツ(ショウガ科)の根茎
curzerenone(芳香性健胃薬,消化液の分泌促進,制癌作用)を含む。

精油を含む生薬芳香性健胃薬、クルゼレノン
桔梗根 (Platycodi Radix:キキョウコン)
キキョウ(Glycyrrhiza uralensis、キキョウ科)の根
kikyo-saponin(排膿、去痰)を含む。

サポニンを含む生薬
枳実 (Aurantii Fructus Immaturus:キジツ)
ダイダイ(Citurus aurantium var.daidai、ミカン科)の未熟な果実
Limonene, hesperidin(苦味健胃薬)を含む。

精油を含む生薬リモネンヘスペリジン芳香性健胃薬
キナ皮 (Cinchonae Cortex:キナヒ)
Cichona ledgeriana(アカネ科)の皮
キニーネ(抗マラリア薬)を含む。

アルカロイドを含む生薬キニーネ
キナ酸 (quinic acid:キナ酸)
quinic
天然にはl体がキナ皮、コーヒーの種子、サトウダイコンの葉などに存在する。

牡丹皮
キニーネ (quinine:キニーネ)
quinine
キナ皮に含まれるアルカロイド
抗マラリヤ薬、下熱薬
抗マラリヤ作用の他に、中枢性の解熱作用がある。

キナ皮キノリンアルカロイドアルカロイド
キノリンアルカロイド (Quinoline Alkaloid:キノリンアルカロイド)
quinoline
キノリン骨格を持ったアルカロイドで、キナ皮やミカン科に少し分布している。

キニーネアルカロイド
キノン類 (quinones:キノン類)
キノン類には、ベンゾキノン類、ナフトキノン類、アントラキノン類、アントロン類(アントラノール類)、フェナントラキノン類が含まれる。

シコニンアリザリンクリソファノール、センノシドA、 センノシド A
強心配糖体 (cardiac glycoside:きょうしんはいとうたい)
ジギタリス、ストロファンツス、海葱、ガマ毒成分などは全てステロイド骨格を持った配糖体で、心筋を直接刺激して心臓の収縮力を増大させる。これに類似した作用を示すものを強心配糖体と総称している。

杏仁 (Armeniacae Semen:キョウニン)
アンズ(Prunus armeniaca var.ansu、バラ科)の種子
amygdalin(鎮咳,喘息,咳嗽,呼吸困難)を含む。

青酸配糖体を含む生薬アミグダリン青酸配糖体
クァッシン (quassin:クァッシン)
quassin
ニガキラクトンとも言う。
苦木(ニガキ)の苦味成分

苦木ニガキラクトントリテルペン
クエルシトリン (quercitrin:クエルシトリン)
quercitrin
白内障治療

十薬フラボノール類
クエルセチン (quercetin:クエルセチン)
quercetin
抗酸化、抗腫瘍作用
ケルセチンとも呼ぶ。

→ソバなど、 ケルセチンルチンフラボノール類
苦扁桃 (Amygdali Smen amarum:クヘントウ)
クヘントウ(バラ科)の種子
amygdalin(去痰薬)を含む。

要するにアーモンド(苦扁桃)のこと。アーモンドには甘味種と苦味種があり、食用にするのは甘味種の方。生薬とか漢方でいうのは苦味種の方で、アミダグリンという強い香りを持つ成分を含み、鎮咳薬に使われる。あと、 アーモンドエッセンスの原料にもなる。
どうでもいいけど、アーモンドの木は収獲できるようになるまでに4年ぐらいかかるらしい。

青酸配糖体を含む生薬アミグダリン
クマリン (coumarin:クマリン)
coumarin
香料
トンカ豆、サクラの葉などに本来は別の物質として含まれているが、容易に酵素水解されてクマリンとなる。芳香性があり、桜餅のサクラの葉のような臭いがする。
オルトクマール酸がラクトン化した構造を基本骨格とする一群の化合物をクマリンと総称する。

→トンカ豆、サクラの葉、エスクレチン、スコポレチン、フェニルプロパノイド、 エスクレチンスコポレチンフェニルプロパノイド
苦味健胃薬 (bitter stomachic:くみけんいやく)
苦味を持つ生薬で、味覚を刺激することによって反射的に唾液、胃液の分泌を高め、また、胃の運動を亢進する薬物のこと。
とりあえす苦いもの。

ゲンチアナ千振橙皮ホミカ(馬銭)竜胆
苦味配糖体 (bitter taste glycosides:くみはいとうたい)
苦味質の中で配糖体に属するものの総称。
大抵はセコイリドイド系のモノテルペンの配糖体で、苦味を呈するもの。

ゲンチオピクロシドスウェルチアマリン、コンズランジン、 苦味配糖体を含む生薬
苦味配糖体を含む生薬 (The herbal medicine which contains bitter glycosides:くみはいとうたいをふくむしょうやく)
苦味配糖体ゲンチアナ千振竜胆
クリソファノール (chrysophanol:クリソファノール)
chrysophanol
情報不足です、すみません…。m(_ _)m

大黄センナキノン類決明子
クルクミン (curcumin:クルクミン)
curcumin
胆汁分泌促進、抗菌作用
橙黄色素(カレーの黄色がそう)

鬱金
クロシン (crocin:クロシン)
crocin
サフランに含まれる色素
カロチン類に分類される。

サフランプロクロシン山梔子
グアイヤノトキシン (grayanotoxin:グアイヤノトキシン)
grayanotoxin
ハナヒリノキの有毒成分
強い粘膜刺激作用

→ハナヒリノキ、 ジテルペン
グリチルリチン酸 (glycyrrhetic acid:グリチルリチン酸)
glycyrrhetic
グリチルリチン(glycyrrhizin)とも、グリチルリチン酸(glycyrrhetic acid)とも呼ぶ。
甘味があり、コルチゾール様の抗炎症作用、抗アレルギー作用、アルドステロン様作用(穏やかな女性ホルモン作用)を示す。
カンゾウの主サポニン
共役ケトンなので紫外線を吸収する。アルドステロン様作用があるので、甘味料として大量に摂取するとムーンフェイスなどの症状を起こすため、(食品添加物として)その使用量に規制がある。
C30から成るトリテルペノイドサポニンで、オレアナン型のサポニンである。

甘草サポニン
ケイアルデヒド (Cinnnamaldehyde:ケイアルデヒド)
Cinnnam
芳香性健胃薬、香料、(八つ橋など)
桂皮の精油の主成分、甘味と芳香があり、食品香料として多量に用いられている。

桂皮フェニルプロパノイド
桂皮 (Cinnamomi Cortex:ケイヒ)
Cinnamomum Cassia(クスノキ科)の皮
cinnamic aldehyde(芳香性健胃薬)を含む。

精油を含む生薬芳香性健胃薬、シンナムアルデヒド、 ケイアルデヒド
決明子 (Cassiae Semen:ケツメイシ)
エビスグサ(Cassia obtusifolia もしくは C. tora、マメ科)の種子
Chrysophanol(健胃,整腸,緩下、夜盲症,緑内障)を含む。

アントラキノン誘導体を含む生薬クリソファノール
ケルセチン (quercetin:ケルセチン)
クエルセチンの別名

クエルセチン
牽牛子 (Pharbitidis Semen:ケンゴシ)
アサガオ(Pharbitis nill、ヒルガオ科)の種子
樹脂配糖体(緩下薬)を含む。

ゲンチアナ (Gentianae Radix:ゲンチアナ)
Gentiana lutea(リンドウ科)の根、根茎
genchiopicroside など(苦味健胃,強壮,収斂)を含む。

苦味配糖体を含む生薬ゲンチオピクロシド苦味健胃薬
ゲンチオピクロシド (gentiopicroside:ゲンチオピクロシド)
gentiopicroside
苦味健胃薬

ゲンチアナ竜胆、当薬、 モノテルペン苦味配糖体
ゲンノショウコ (Geranii Herba:ゲンノショウコ)
ゲンノショウコ(Geranium thunbergii、フウロソウ科)の全草
geraniin(整腸止瀉薬)を含む。

タンニンを含む生薬ゼラニイン
紅花 (Carthami Flos:コウカ)
ベニバナ(Carthamus tinctorius、キク科)の花
赤色色素、他(通経薬,駆於血)を含む。

色素を含む生薬カルタミン
厚朴 (Magnoliae Cortex:コウボク)
ホウノキ(モクレン科)の樹皮
Magnofurarine(中枢性筋弛緩作用,ヒステリー)を含む。

アルカロイドを含む生薬、マグノフラリン、 ホオノキオールマグノフロリンマグノロールユーデスモール
コカイン (cocaine:コカイン)
cocaine
コカ葉の主アルカロイド
コカアルカロイドにも分類される。
強い中枢神経興奮作用、局所麻酔作用
身体依存性はないが、精神依存性が強く、幻覚妄想を起こす。よって、麻酔としては局所麻酔としてでしか使えない。
コカ葉とともに麻薬に指定されている。

コカ葉トロパンアルカロイドアルカロイド
コカ葉 (Coca Folium:コカヨウ)
Erythroxylon coca(コカ科)の葉
cocaine(局所麻酔作用,中枢興奮)を含む。

アルカロイドを含む生薬コカイン
胡椒 (Piperis nigri Fructus:コショウ)
コショウ(コショウ科)の未熟な果実
pipeline, chavicine(芳香性健胃,腹痛,歯痛,吐瀉)を含む。

芳香性健胃薬、ピペリン、カビシン、 辛味性健胃薬
コデイン (codeine:コデイン)
codeine
阿片に含まれるアルカロイド
鎮痛、鎮咳作用があり、主に鎮咳薬として用いられる。
麻薬に指定されているが、モルヒネより依存性は低く、含量が百分の一以下のコデインは麻薬には含まれない。よって、家庭用麻薬とも呼ばれる。
モルヒネから化学的に誘導することができる。

阿片イソキノリンアルカロイドアルカロイド
コルチゾン (cortisone:コルチゾン)
cortisone
代表的な糖質コルチコイドの一つ。
アトピー治療などに重要

副腎皮質ホルモンステロイド
コルヒチン (colchicine:コルヒチン)
colchicine
イヌサフラン(ユリ科)、ユリグルマ(ユリ科)の主アルカロイド
痛風治療薬として用いられる。
また、細胞分裂の際の紡錘糸形成阻害作用があり、倍数体植物の製造に応用されている。
トロポロンアルカロイド(トロポイドアルカロイド)に分類される。

→イヌサフラン、 アルカロイド
ゴッシポール (gossypol:ゴッシポール)
gossypol
綿の種子の有毒黄色色素
食べると出血性胃腸障害、腎炎を起こす。
抗菌、殺虫作用、男性避妊作用

→ワタ、 セスキテルペン
五倍子 (Gallae Rhois / Gallae Chinensis:ゴバイシ)
ヌルデ(ウルシ科)の虫こぶ
五倍子タンニン(収斂(しゅうれん)、止瀉,鎮咳,止血,皮なめし)を含む。

タンニンを含む生薬没食子酸
ゴミシン A (gomisin A:ゴミシン A)
gomisin
解熱、鎮咳作用
五倍子に含まれている。

→五味子、 リグナン